ミャンマーにて国際金融公社(IFC)ヨマ銀行に初出資

  • 2019年 8月 22日

国際金融公社(IFC)の500万米ドルのローンをヨマ銀行の株式5%に転換するという決定により、ヨマ銀行はミャンマー初の外国の株主を持つ商業銀行になった。
ヨマ銀行が中小企業に対しての貸付を高めることができるように、世界銀行の投資機関であるIFCは転換ローンパッケージを2014年に提供した。現在までIFCは、ヨマ銀行が7,000以上のローン(8億米ドル相当)をミャンマー国内の中小企業に提供し、ヨマ銀行の支店を52店舗から80店舗に増やせるように支援した。
IFCは、2017年に同様の目的でミャンマーオリエンタル銀行(MOB)に700万米ドルの転換ローンを発行した。
ビジネス情報会社であるFrontier Myanmar Research (FMR)によれば、この動きはミャンマーの銀行への出資に関心を持つ他の外資系銀行に対しての後押しになる。
ミャンマー中央銀行の情報によれば13の外資系銀行がミャンマー国内に支店を有し、51の銀行と金融機関が駐在員事務所を有する。27の現地銀行が登録されている。ミャンマータイムズは、他にも最低でも4つの商業銀行が外国の投資家と話し合いを進めていることを把握している。
ヨマ銀行の会長Serge Pun氏は、ヨマ銀行が外国の投資家を株主として初めて迎えた現地の銀行であることは光栄であると伝えた。
「ヨマ銀行は過去5年間、IFCとパートナーを組み、リスク・マネージメント、コーポレート・ガバナンス、監査機能をより良くしてきた。我々はIFCを取締役会に歓迎し、ミャンマー経済の未来に貢献することを期待している」とSerge Pun氏はコメントした。
上場会社である First Myanmar Investment (FMI) の子会社であるヨマ銀行は、資産別ではカンボーサ(KBZ)銀行、エヤワディ (AYA) 銀行、協同組合 (CB) 銀行に次ぐ4番目に大きい民間の金融機関である。IFCの負債からヨマ銀行の株式への転換は去年の10月にミャンマー中央銀行によって承認された。
2018年8月に成立した新しい会社法は、外国人投資家が現地企業の株を35%まで取得することを許可する。1月に中央銀行は銀行部門の自由化についてフォローアップした。
ミャンマーとタイのIFCカントリーマネージャーであるVikram Kumar氏は、これはヨマ銀行のさらなる供給力の拡大及びミャンマーの資金調達格差を埋めることを手助けしていると述べ、ヨマ銀行は「国際的なガバナンス基準を熱心に順守している」と続けた。
IFCは判断の際、資金洗浄に関する金融活動作業部会(FATF)により収集された「グレーリスト」にミャンマーが戻る可能性についての値を付けるとFMRの財務監視サービスの調査アナリストであるAung Thaw Zin氏は言う。それゆえ、グレーリスティング化が銀行部門の改革に大きな影響を与えることは予想されない。
パリを本拠とする政府間組織であるFATFは次年度に国をリストに戻す恐れがある。
「実際には、IFCがヨマ銀行にローンを提供しているときにはミャンマーはブラックリストに登録されていた。そのため、リストに載ることは個々の銀行にとって必ずしも危機とは限らない。」と彼は付け加えた。
いわゆるグレーリストは、ハイリスクな国を網羅している戦略的弱点リストを意味している。同時にさらに深刻なブラックリストには行動計画が一切ない国が含まれる。ミャンマーは2011年6月からグレーリストに移行した2016年2月までの1年未満の間ブラックリストに含まれていた。
Aung Thaw Zin氏は、他の一部の不透明な経営を行う現地の銀行と比較して、ヨマ銀行の規模、商品、技術、透明性は国際的な金融機関にとって魅力的であると述べた。今後IFCの株式は他のプレイヤーを近代化させ透明性を高めることを後押しすることで、外国の投資を保護する。
IFCの株式により、ヨマ銀行は追加で非ミャンマー投資家に30%を売却することができる。
(Myanmar Times 2019年6月19日版 第5面より)