ミャンマー政府が数十年前のアルコール輸入禁止を緩和

  • 2019年 8月 23日

ヤンゴン政府が外国酒の販売禁止を厳格に執行してわずか数カ月後、商業省は数十年前のアルコール輸入禁止を緩和するために法案を発表するとした。
秘書補佐のKhin Maung Lwin氏はミャンマータイムズに、同省は現在、海外の蒸留酒の輸入を許可する法案を準備していると伝えた。法案はさまざまな部門からの意見に基づいて作成された後、法務長官府に送られる。
外国酒の輸入の自由化は、ミャンマーの飲料産業へのより直接的な外国からの投資を促し、繁栄するブラックマーケットに打撃を与えると期待される。アルコールの輸入規制により、大量の外国酒がミャンマーに密輸され、違法取引が活発になっている。
税関部門のデータによると、2017-18年の間には約800万米ドル相当、130万リットルの蒸留酒が合法的に輸入された。ブラックマーケットは年間数億ドルの規模であると推定される。
調査会社Euromonitor Internationalによると、2016年に消費されたビールの30%は違法取引によるものである。その結果、政府は推定5,000万米ドルの税収を失った。
商業省は、今年の初めに国家経済調整委員会が大統領府で会議を開いた後、政策の見直しを任された。同省は他の省庁の高官も含む、商業省副大臣が率いる委員会を設立した。
委員会は、外国のアルコールの輸入、製造、流通、物品税の規則を検討する。
彼は、それは市場の部分的な自由化に過ぎないと強調した。この措置は、外国の酒類がいくつかの規制の下で参入するという限定的なものである。委員会は今年中に法案を確定する。
法案は、商業省大臣のThan Myint氏が議長を務めるミャンマー競争委員会の設立後に公開された。ミャンマータイムズによって以前も報じたように、専門家とビジネス関係者は、アルコールの輸入規制は委員会が調査すべき重要な問題の一つであると主張している。
Khin Maung Lwin氏は輸入政策の変更が新しい競合団体(ミャンマー競争委員会)によって調査されることに関連している可能性を否定し、政策の見直しの決定はテインセイン政権下で下されたと述べた。
「輸入規制を緩和する取り組みは、前政権の下で開始された。この件に関して多くのワークショップが開催された」
1962年以来、ミャンマーでは蒸留酒の輸入が厳しく規制されている。現在の外国酒の輸入の禁止は1995年に軍事政権によって導入された。その後、テインセイン政権は2015年後半にワインの輸入を許可したが、蒸留酒とビールの輸入に関してはホテルと免税店のみが許可された。
業界内の輸入緩和の支持運動に関与していたAung Khant氏は、緩和は「歓迎すべき変化」であると述べた。
「商業省の保護主義的規制は、政府の公言した経済改革への公約に反している。酒類の輸入に関する現在の規制は、偽造製品、違法取引、税収入の損失をもたらしている。この政策は、ミャンマーの消費者、企業、政府の財源など、他の全ての人を犠牲にしたうえで国内の選ばれた者にのみ利益をもたらす」と彼はコメントした。
海外の酒造会社のためにロビー活動を行うユーロチャムミャンマーは、このニュースを朗報として受け取った。
「ミャンマーの蒸留酒輸入自由化を進める、商業省の計画を歓迎する。自由化は、大規模な違法酒類市場、公衆衛生リスク、政府の税収入の損失を改善する」とユーロチャム副局長Marc de la Fouchardiere氏は述べた。
将来、ミャンマー当局は税制改革を検討することで合法的な外国酒の輸入を推奨し、違法な輸入を阻止するのと同時に、国内の生産者に十分なレベルの保護を提供する必要があると、Fouchardiere氏は付け加えた。「しかし、これらを実現するための最初の重要なステップは、外国酒の合法的な輸入を許可することである」
市場の開放は、より多くの国際的な投資家がミャンマーに投資することを促し、責任あるアルコール消費に関する最も効率の良い方法を国にもたらすと彼は付け加えた。「健全な規制は、実態にあったもの、証拠に基づいたもの、企業に過度の負担をかけないものであるという一方で、飲酒を選択する人々に対して社会的責任のある消費文化を促進する必要がある」
Aung Khant氏は、国際的な企業や製造業者は、ミャンマー国内の従業員に対する賃金の公正化や能力強化など、ミャンマーで責任ある企業活動をする必要があると強調した。
現地の生産者を代表するミャンマー酒類協会は、電話でのコメントを控えた。
(Myanmar Times 2019年6月20日版 第4面より)