ミャンマーにおける著作権法の概要

  • 2022年 4月 15日

ミャンマーでは、著作権法(Copyright Law)が 2019 年5 月24 日に制定されていますが、現時点でまだ施行さ
れておりません。そのため以下にて著作権法の概要を説明致しますが、まだこれら保護はミャンマーにて受けら
れないことにご留意ください。
(1) 権利保護の対象
著作権法において「著作権」とは、文学又は芸術作品の著作者が、本法に含まれる規定に則って得た、文学及び芸術に係る個別の権利をいうと規定されております。著作権の保護を受ける文学又は芸術作品には、(a) 書籍、配布資料、詩、小説、記事、コンピュータープログラム及びその他書かれたもの (b) 告示、訓示、演説、説法及びその他の発話 (c) 劇、舞台音楽作品、独自の挙動による演技、振り付け作品、舞台上で上演するその他の文学又は芸術作品 (d) 書面を含むか否か問わず、演奏及び演奏作品 (e) 映画作品を含む映像音声作品 (f) 建築作品 (g) 書くこと、書き刻むこと、装飾、木彫、石細工彫刻、彫刻、多彩なグラス、宝石等で装飾した作品、木製作品、陶器技術で作った作品、金属品、土器、宝石の装飾品、工芸品、古代の衣装、民族衣装及び服飾全般 (h) 石板印字、コンピュータープログラムその他の芸術作品 (i) 劇作品 (j) 実用的芸術作品 (k)反物の柄 (l)地理的状態、図面における表現、建築作品又は科学技術により、該当する模型、地図、計画、素描及び立体的作品が含まれます。
また、文学又は芸術作品の著作権を損なわせることのない二次的著作物には、(a) 文学又は芸術作品の翻訳、引用、整理及びその他の方法で変更すること又は修正すること (b) 伝統遺産の表現の収集を含む文学又は芸術作品を収集すること (c) 選択又は整理により事実を読み取る機械又はその他の方法で収集し、当該対象を収集する際に創作を含むことが含まれます。ただし、収集する際に含まれる情報を保護することとは関係がありません。
一方、著作権の保護を受けない文学又は芸術作品若しくは著作隣接権に関する作品には、(a) 考え、工程、行為手段、数式、基本原則、発見又は事実 (b) 関連する日付のニュース又は印刷された新聞の事実と定義できる特徴をもつ様々な情報 (c) 憲法及び法律 (d) 政府当局、政府団体及び局から発表する規則、施行細則、通達、命令、指令、及び法的手続き (e) 判決及び裁判所の命令 (f) 前(c)から(e)項までに含まれる情報を政府から正式に翻訳すること及び収集することが該当します。
(2) 著作権の存続期間
経済的権利を保護する期間について、著作者の生存期間及び死亡年から 50 年と規定されており、著作者人格権の保護期間は著作者の生存期間及び死亡した日付から起算して無期限であると規定されております。
(3) 罰則
権利者の許可なく営利目的で、著作権又は著作隣接権の保護を受ける作品を直接又は間接的に複製し、公衆と接続すること及び公衆へ頒布する行為、著作権又は著作隣接権を侵害した対象物を所有すること又は販売する行為、著作権又は著作隣接権を侵害した対象物を国内に向けて輸入する行為、著作権又は著作隣接権管理情報及び技術的保護措置に関する禁止行為を行う行為、著作権又は著作隣接権を侵害した対象物を製作する際、主に使用した物又は道具を所有する行為により有罪判決を受けた者には、3年以下の懲役若しくは 100 万チャット以下の罰金、又はその両方が科せされます。
また、上記を含む行為のいずれかに違反すること、有罪判決を受けて当該罪状において再犯を行うこと、有罪判決を受けた場合に、当該人物は 3 年以上 10 年以下の懲役かつ 1000 万チャット以下の罰金に処されると規定されております。
さらに、著作権又は著作隣接権の登録証の偽造すること又は偽造させること、著作権又は著作隣接権の登録簿に不誠実に不実を記載すること又はさせる行為により有罪判決を受けた者には、2 年以下の懲役若しくは 200万チャット以下の罰金、又はその両方が科せられます。