ミャンマーのマイクロファイナンス機関はCOVID-19によりキャッシュフロー危機に直面する

  • 2020年 11月 06日

旅行制限、返済の延期、低金利での貸出という政府命令が、COVID-19により農村部の人々からの資本の必要性が差し迫ったときに、ミャンマーのマイクロファイナンス機関(MFIs)が運営する能力が低下している。
一部の借手から返済を回収できないことにより、MFIsの流動性及びキャッシュフローが大幅に増加し、その結果、貸手が他の借手に融資を拡大する能力が制限されている。
2019年の同時期と比較して、多くのドナーがいる生活食品安全基金(LIFT)は先月活動していたMFIsの中の流動資産が1億1,500万米ドル不足していることを確認し、これはCOVID-19の規制が持続する場合5月上旬にはさらに6,000万米ドル増加することが予測される。
LIFTと協力してMFIsは昨年280万以上の低所得世帯に約12億米ドルの融資を行ったが、今年はCOVID-19により、一部は計画されていた支払の60%以上が削減されたものもある。
ミャンマーが2011年にマイクロファイナンス法を制定して以来、MFIsによる融資は農村経済にとって最大の財政源となっている。約200の認可を受けたMFIsがあり、ミャンマーで約550万人の顧客にサービスを提供している。
しかし、COVID-19の拡大防止のために満たされた規制により、MFIsが融資を実行して支払いを回収することが困難になっている。一つの理由に、MFIsの大半が現地代理店を通して行うことが挙げられる。
そうしている間に、政府はMFIsに返済の延期を認めるよう命令を出し、期限内に返済を回収することはほぼ不可能であった。
MFI業界は通常、99%以上の高い返済率を有しているとVisionFund Myanmarの開発ダイレクターRachel Yu氏は述べた。しかし、米国に拠点を置くMFIが5月4日に営業を再開した時、返済額は想定の19%しかなく、キャッシュフローに影響を及ぼした。
同時期に、銀行及び貸手が影響を受け国際的に「流動性危機」が発生し、必要とされる場所で利用可能な現金が減少していると彼女は付け加えた。
特に、これはミャンマーの最も重要な産業である農業で、作物の販売の落ち込みに苦しんでいる農家を援助するための融資を必要としている時に起こっている。農家は現在、この作物が育つ時期に投資する資本の確保に苦労している。
金利の変更
これが全てではない。ミャンマー中央銀行(CBM)の、先月の16%から14.5%と1.5%無担保貸出金利を引き下げるという動きは、MFIsへの資本の流れを制限するという意図しない結果をもたらした。
ミャンマーのマイクロファイナンスプロバイダーは国内人口のニーズを拡大し満たすために、より多くの国際資金へのアクセスを必要としている。チャットの変動率に対する防止策として、LIFTは外国人投資家がミャンマーのマイクロファイナンスセクターに現地通貨で貸し出すことを可能にするヘッジングサービスを提供するために為替基金(TCX)と提携した。
国内MFIsが国際融資にアクセスするために必要な高金利を提供することを支援するために、LIFTはこれら現地通貨融資の金利レベルを補助するための資金を提供し、規定された金利レベルまで引き下げる。
ミャンマーの金利は現在低下しているため、アクセスは未だリスクである。相当な金額の資金を、利子支払いの1.5%の差額を補うために再分配する必要があるため、LIFTから必要としている人々に運ぶことができる利用可能な資金は縮小する。
「金利が低いほど補助金の費用は高くなり、もたらすことができるお金が減ることを意味する」とLIFTの金融包括及び民間セクタープログラムの代表Curtis Slover氏は述べた。
「金利と為替変動率の2つの要因は、LIFT資金に対してレバレッジすることができる額を実際に減らす」とSlover氏は付け加えた。LIFTはCOVID-19以降、約1,800万米ドルを承認し、現在追加で2,300億米ドルの交渉を行っている。
MFIsの支払い能力の維持
4月後半に発表された政府のCOVID-19経済救済計画は、「MFIsが低価格資金調達への完全なアクセスを確実にする」ことを目指しているが、実際の計画はまだ実施されていない。
今後数か月間の不確実性により、MFIsは当局にMFIへの投資及び借入の申請及び変更に関するの承認を加速させるよう求めた。
ヤンゴンに拠点を置くProximity Designsのマイクロファイナンス部門を担うProximity Financeの事業運営部の代表Soe Htike Lwin氏は、政府は負債比率等の重要な比率条件を緩和し、現地MFIsへの圧力を緩和するために既存の借入に対する融資条件の変更に必要な承認を一時的に取り除くことを提案する。
優先事項は、農村コミュニティに融資へのアクセスを提供することである。Proximity Financeは5月に、198億チャット(1,400万米ドル)の融資を約45,000件の農家に支援することを計画している。
「農村コミュニティの一部にしか影響しないことを知っているため、他のMFIsがより多くの農家の支援に協力するよう奨励している」とSoe Htike Lwin氏は述べた。
彼は、現在までの支払い能力を維持するために、MFIsがキャッシュフローを綿密に監視することが不可欠であると警告した。
「マイクロファイナンスセクターは更なる運営制限を受け入れる余裕がない可能性があり、経済及び顧客が危機を乗り越えるための支援を確実にできるようにするには、継続的な運営が重要である」とSoe Htike Lwinは述べた。
(Myanmar Times 2020年5月26日付オンライン記事より)