COVID-19パンデミックの期間中、零細中小企業(MSMEs)の女性は特にミャンマーで大きな打撃を受けているとMSME開発庁の局長Aye Aye Win氏は先月のウェビナーで語った。
「ミャンマーの2,600万人の女性のうち3%のみが会社を経営し、その大半が零細小企業である一方、男性の大半は中規模の企業に勤めている」と彼女は述べた。
最近の調査によると、このジェンダーギャップは企業及び投資家によって対処されない場合、パンデミックが過ぎた後に標準となるリスクがある。
企業で働く女性はまた、男性よりも銀行ローンへのアクセスが少ないとAye Aye Win氏はいう。国連の国際労働機関による調査によると、女性が経営する企業のマーケティング及び技術拡大のための銀行ローンは、それぞれ1.5%と1.75%を占めている。
ミャンマーの小規模企業は個人又は家族の資金で設立される傾向があり、その後の資金は助成金と資本から得ている。笹川平和財団(SPF)により委託され、Emerging Markets Entrepreneurs、Support Her Enterprise及び同連盟により明らかにされた最近の報告によると、平均的に男性は女性と比較して不均衡な額の株式資金を受け取っている。
同調査は、企業の86%が自身の所得や貯蓄、または友達や家族からお金で始められ、57%が株式、転換社債、助成金で資金調達を行ったと報告する。
また、女性は株式に裏打ちされた企業の43%を占める一方、性別で加重した場合、女性は30%しか占めていないことも示した。
女性を含めることの利点
データにも関わらず、男女ともにビジネスで女性に焦点を当てることは営業、ブランディング、マーケティングの表現等において利点であると信じている。
ミャンマーのジェンダーギャップの包括的な理解を深めることを目的とした同調査は、マーケティング努力を女性に集中させることで、さらなる利益を生むことができ、女性のための商品及びサービス開発に関する洞察を深めることで、企業がニッチ市場の女性顧客と繋がりを深めることを可能にする。
より多くの女性を含めることはまた、文化及び職場の生産性が強化されると述べた。
6つの他のアセアン諸国の国際金融公社によるレビューによると、アセアンでは、取締役会に女性がいる企業は、取締役会に女性をいない企業と比べて高いリターンを享受し、株式資本利益率が50%向上していることが確認された。
しかし、所有権構造に女性がいるのはミャンマー企業の35%のみで、上級管理職に女性がいるのは41%のみである。
「ミャンマーが女性の消費者にサービスを提供することにより利益を得るためには、ジェンダーギャップを埋め上級管理職に女性の代表を増やすことが必要である」とSPF報告書は述べた。
連盟は、モバイルアプリを介して店舗の補充を支援する電子商取引及び物流会社であるEzayの顧客40社及びMicrofinance Delta International Co Ltd.の顧客64社を含む、地方の女性により所有及び経営される104の企業の2回目の調査を実施した。
ほぼ全ての女性が事業を成長させたいと述べ、収入の増加を1番にランク付けし、次に家族と子どもの健康及び教育の支援が続いた。
計画の不足
ジェンダーギャップの理由の一つに、女性の92%が事業と家庭のお金を分けておらず、73%のみが事業経費を付けており、これは計画の不足を示していると調査は述べる。
回答者の40%がEzayの顧客であるにもかかわらず、98%が経費を付けることなく、顧客との連絡のみにスマートフォンを使用していると回答した。
同調査は、経費及び在庫を管理することができる技術について、女性の中での理解が不足していることを明確に示しており、これが女性が信用へのアクセスが難しい理由の一つである可能性がある。
調査対象者の大半は中等教育までしか受けておらず、約半分は初等教育のみであるため、事業を成長させるためにはより多くの財務及び経営管理スキルの訓練を必要とすることを認識させる。
調査の結果、女性事業主のほとんどがキャッシュフローの維持に成功しており、64%が夫から独立して事業を管理しており、68%が高いレベルの事業意思決定を行っていることが明らかになった。
ローンを受けたごく少数の女性は、より大きな代理店と自己啓発を示した。68%は高いレベルの意思決定を行っていると回答し、そのうち56%だけが正式なローンにアクセスでき、13%は資金を受け取れなかったと回答した。
EzayとDelta Internationalの顧客の主な違いは、前者の25%と比較して、後者の全てが正式なローンにアクセスすることができたことである。
Ezayは、顧客の多くがマイクロクレジット代理店から離れており、彼らの限られた口座は融資担当者が信用力を評価することを困難にしたと述べた。
成長の可能性
SPF報告書は、ジェンダー格差を埋めミャンマーの女性事業主を昇進させるためには、女性は良き指導者を見つけ、見識を得るために投資家と会話し支援ネットワークを構築することを推薦している。
「女性は株式投資の資金調達の際に不利になる可能性があり、この困難が加わることを認識しなければならない。会社の目標、過去及び予測されたパフォーマンスデータとの組み合わせの明確な説明は、より良い関係の構築及びより多くの資金にアクセスする手段を授ける」と報告書は述べた。
「会社の使命とその商業的価値の提案を理解することが重要であり、意思決定権を有する地位にある女性は、会社が女性を対象とする解決策に関して考えることができる準備をより整えることができる」と報告書は述べる。
また投資家に対し、ミャンマーのジェンダーギャップに対処しているスタートアップの困難を考慮し、資金調達、訓練、人材の確保という点の戦略を実行するよう促している。
スタートアップのためのアクセラレータープログラムもまた、知らず知らずのうちにジェンダーギャップを悪化させる可能性があるため、ジェンダーを考慮すべきである。「非常に人気がある「pitch day」は多くの観衆の前で英語を話すことに慣れている高学歴の男性に適しているが、ミャンマー文化は同様のイベントのために同様の方法で女性を用意していない」と述べた。
(Myanmar Times 2020年10月14日付オンライン記事より)