ミャンマーの不動産市場に対するCOVID-19の影響

  • 2021年 3月 09日

ミャンマーに入ってきた第一波のCOVID-19
COVID-19の最初の症例が3月23日に発表されて以降、不動産業界を含む現地経済は急激な低迷傾向に入り、特に国境、空港、公共交通機関の閉鎖、ディベロッパーの建設工事のための必要建設資材の輸入の停止が原因である。
最大都市であるヤンゴンを含む全ての主要都市が4月には完全にロックダウンし、ほとんど全ての企業が在宅勤務に移行することを余儀なくされ、SMES(特に不動産代理店)の大半が閉鎖、人員を削減し、事業収益の大幅な減少に備えて全ての定期購読を停止した。
第2四半期(4月から6月)には、不動産市場全体が崩壊した。収入がほぼ又は全くない小規模不動産代理店は、強制的な不況により倒産した。ミャンマーには何千人もの個人ブローカー(無料の広告主)がおり、25の小規模不動産代理店のみが不動産ウェブサイトで不動産の約50%を広告している。このセクターからの広告収入は既に限られており、ほぼゼロに低下している。
これは、悪名高いモンスーンシーズンの到来(ミャンマーの不動産販売にとって最悪の時期として知られる)と相まって、全不動産ディベロッパーの97%が、不動産における非常に深刻な不況を乗り切るために全マーケティングの支出を完全に停止し、不動産取引はまるで蛇口のように閉められた。
これは、当社、他の不動産ポータル、不動産業界サービスプロバイダーを含む全ての関連事業に重大な悪影響を及ぼす。
第二波-天馬が到来
9月12日までに保健省は1日で351件の症例の記録を報告し、COVID-19の第二波が到来したことで病院では毎日200名の新規感染者が出ている。「まるで馬に翼を与えたようだ。馬は元々強くて速い。翼があれば、より速くなるだけである」と保健スポーツ省の広報担当者Than Naing Soe氏は述べた。ミャンマーは現在COVID-19の症例数が増加しており、タイを追い抜きアセアンで5番目に多いCOVID-19の症例数が確認されている。
第2波に伴い現在全国は自宅待機命令下にあり、ヤンゴン市全域は完全にロックダウンしている。疑いもなく、2020年第2四半期から第4四半期(4月から12月)はミャンマーの不動産業界がこれまで直面した中で最も困難な時期になるだろう。不動産市場のプレイヤーへの影響は、通常売上高の10-20%という利益数の減少を伴う不動産取引の大幅な減少であり、当社を含む不動産ポータル及び他の不動産取引事業の収益性の可能性を排除する。
不動産取引の大半を占める住宅購入者及び賃貸人は、購入する不動産の見学を希望するが、ロックダウンによりできないため取引販売は4月以降ほぼゼロである。
現在深刻な打撃を受けている不動産市場では、収益の減少に伴い収益性が低下しているため、投資家の予測に達する可能性は低い。昨年度の収益の25-30%に到達することさえも、超人的な力がいる。
第二波は第一波よりも影響が大きく、不動産業界で働く全企業の2020年の予測に完全なる悪影響を及ぼす。不動産市場でサービスを提供している100人以下の従業員のSMEsの大半は、更なる費用の削減、完全な閉店、外部資金又は個人ローンの注入が破産させないために余儀なくされる。
ミャンマーの変化するテックセクター
危機の間中ミャンマーは繁盛するテックセクターを持ち続けており、多くの評判の良いスタートアップが何百万米ドルもの資金調達に成功し急激な牽引力を達成している(2019年後期に300万米ドルの資金調達を行ったShwePropertyを含む)。
東南アジア最後のフロンティアとして、テックセクターの機会は強力な経営陣を有する経験豊富な先発者にとって計り知れない。
しかし、他の市場ニュースは同業界に厳しいものであり、特に一部のテックスタートアップが閉鎖又は倒産を余儀なくされた。これには以下が含まれる。
・2018年3月の、Rocket internetのオンライン不動産及び広告の撤退。市場を5年間教育し、経験豊富で十分な資金があるプレイヤーが参入した後に国から撤退した。
・2018年12月の、UK-AIMから公開企業MySQUAR(ソーシャルアプリ)の上場廃止(使用終了宣言又は開示無しに、関連当事者の取引及び株主への多額な現金支払いを伴うと払報告された)
・新しい所有者に売却された後の2019年2月に、Red Dot Network(決済ソリューション)の閉鎖後、多くの代理店への頭金を未払いのまま国を去ったことが報告された。
ADBによるミャンマーの2020年GDP成長率は1.8%と予測される(東南アジアの中で最も高い国の一つである)が、世界銀行の事業のし易さ難易度ランキングでは190位中165位で、汚職指数では180位中130位と、多く投資家にとってそれほど魅力的な投資先ではない。
国は未だに現金社会のままであり、高い価値で資金調達を試みる新興テックスタートアップにとって特に困難(または有用)になる可能性があり、例えば、現金又は会社を通した取引を循環させ、それを収入又は利益として申告することにより、財務報告書の改ざんを容易にすることができる。
投資家はミャンマーで大きな機会を得ることができるが、経験豊富な先導投資家無しに投資する場合、目がくらみ、100% の財務的、法務的、雇用及び税務コンプライアンスを確保するための集中的なデューデリジェンス手続き(法定監査だけではない)を放棄し、全てが最終的に現れる時、彼らはお金及び評判を失うリスクがある。
幸運なことに、ミャンマーはコンプライアンスに対する明確な法律があり、現地法定監査は短期間で容易に承認されるが、将来再発見された不一致及び又は非遵守には、多額の罰金、懲役、取締役又は株主への免責の対象となる可能性がある。
未来のポストCOVID-19 成功のための準備
ミャンマーの不動産市場は2020年末まで停滞し続けるように見えるが、ShwePropertyの経験豊富な経営陣は今後に関して大きな自信と前向きな姿勢を見せている。
私たちはこれまでに3回の不況を経験しているが、思いやり、決断力、長期的な戦略的思考及び勤勉な実行が事業を危機から導き、100倍強くなると信じている。
私たちの事業は財政的に安定しており、従業員はやる気がある。私たちは全てのトップテナント及び業界で合計100年以上の経験を持つ経営陣を保持している。より多くの製品及びサービス、これまで以上に効率的かつ効果的な実施からでCOVID-19に打ち勝ちつだろう。
事業は、常に法律の遵守を確実にするため、強力なガバナンス及び公平な雇用契約で運営している。一部の企業は従業員を制圧する違法な雇用契約を選択しているが、私たちは従業員を支援するための雇用契約を信じており、労働局により承認されている。
専門的で確かな実績を有する現地及び国際的な経営陣を持つことで、単一のリスク又は失敗の機会を減らすことができる。私たちは特に、容易に不正行為を行うことができる営業及び財務管理を担う部署では、家族又は親しい友人を直接雇用しないという方針がある。
ShwePropertyはまた、強力なパートナーシップを信じている。今年、当社は「ミャンマー不動産アワード」のためにPropertyGuruと独占的なパートナーシップを築いた。私たちは、これによりミャンマーの不動産市場で一位に選ばれた。これは、企業が現地及び国際的な事業の販売及びマーケティングを支援し、ディベロッパーと密接に連携して複数のオンラインチャネルを提供することを許可する。
加えて、ShwePropertyはCOVID-19後の事業の急速な成長を支援するため、特に経営陣の強化及び販売及びマーケティングの専門家の雇用を続けている。市場には強力な、長期的な可能性があることを見据えており、合理化された不動産販売取引モデルを通して、ミャンマーの不動産市場を先導、支配、支援し続ける。
ShwePropertyについて
ShwePropertyは2011年に設立されたミャンマーで1番の不動産ポータルであり、最高品質のトラフィック、国のテックエコシステム、最大規模の掲載数及びディベロッパーの目録を有している(集積ウェブサイト、住宅ローン、銀行ダッシュボード、CRMs及び販売在庫モジュールを含む)。
当社は現在、ラウンドを主導するEmerging Markets Investment Advisor (EMIA)共に2019年後期に300万米ドルのシリーズBを確保し、Simon Baker(元iProperty及びMitula Groupの会長)に続き、500のスタートアップ;Dinh Thi Hoaのファミリーオフィス(Galaxy Media &Entertainment Vietnamの会長)、既存の投資家New Ventures (Nasdaq Stockholm)、イギリスに拠点を置くファンドもこのラウンドに参加している。
他の株主には、Justin Sway (元オーストラリア、ニュージーランド、欧州のFastTrack Software)、Jonah Levey (元Vietnam Works)、Gilles Blanchard(元Seloger.com及びEMPG GroupのBod member、パキスタンのZameen)が含まれる。
ShwePropertyは、ミャンマー生まれの経験豊富なCEOであるJustin Sway、創設者であり取締役のKaung Thu Win氏により率いられている。
経営陣は、長年の経験を持つ専門家:Dolly Lwin(営業副社長、元Naing Group Construction)、Andrew See(プロジェクト営業部長、元PropNex Singapore)、Zan Zan(ITマネジャー、元Property Singapore)、May Thu Win(財政管理者、元Tion Woon Corpo:SGX)、Grace Ei The Aung(CXオペレーションダイレクター、元GM iMyanmarhouse、元Flymya)で構成されている。
また経験豊富な代表取締役も採用しており、近々発表する予定である。
(Myanmar Times 2020年9月22日付オンライン記事より)