ミャンマーはラカイン及びチン州の紛争地域で課せられたインターネットの切断の解除に関し、国際及び事業コミュニティ、市民人権団体からの激しい声に直面している。
100万人を超える人々に影響を与えた報道管制が今週末に2年目を迎える中、政府に対して禁止を終了するよう求める声が高まっている。
権利団体によると、モバイルインターネットサービスの切断は政府によるインターネットの切断として世界で最長であり、日常生活に直接的な影響を及ぼし、影響を受けている地区でのCOVID-19パンデミックへの対応を妨げている。アウンサンスーチー政権は反乱の高まりに対処するため、軍の要求で制限を命じた。2019年1月以降、国軍とアラカン軍との広範な抗争により何百人もの民間人が殺され、10万人以上が非難している。政府はまた、ラカインに拠点を置く報道機関を含む2,000以上のウェブサイトをブロックし、テロリズム禁止法の下、紛争を報道するにジャーナリストを起訴した。
禁止は、運輸通信省が軍の要請を受け、ラカイン州北部の8つの地区及びチン州のPaletwa地区でモバイルインターネットサービスの制限を課した1年前に始まった。一時的に5つの地区の制限が2019年9月から2020年2月まで、再び課されるまで解除された。5月2日に、当局はMaungdawで禁止を解除した。
しかし、これら指令は公開されていなかった。「切断に関する透明性の欠如は最悪の側面の一つであり、法の原則を損なう」と権利団体Free Expression MyanmarのダイレクターYin Yadanar Thein氏はコメントした。
インターネット禁止を解除するよう現地協会及び欧米の大使館からの声明にも関わらず、省は今月、安全性の懸念を引用して残りの8つの地区に対して少なくとも8月1日までインターネットの切断を延長する意向を述べた。
同省の事務次官であるSoe Thein氏は記者会見で、インターネットサービスは「国民への脅威又は通信法の違反がなくなった場合」再開されると述べた。
企業は改革を促す
しかしますます多くの法律専門家、企業及び市民社会が、政府の切断命令の法的根拠となる第77条の改正を政府に求めており、長期にわたるインターネットの禁止は企業及びミャンマーの人権記録双方にとって良くないと述べる。
ミャンマーの責任ある企業センター(MCRB)は、法律は企業にとっての人権リスクをもたらし、責任を持って運営することを禁止すると警告した。
MCRBは5年前に、既に第77条及び人権保護のための政府の義務に関する法的枠組みの他の部分の弱点を強調していた。
協議に関与した情報筋によると、Ooredoo、Telenor及びインターネットサービス会社Frontiirの上級幹部が、通信法の改革に関する最初の協議に参加した。Telenorは切断に関する懸念を公に提起している。
この動きは、5つの主要企業陳情団が、インターネット切断による「国際コミュニティーにおける評判への影響の可能性及び責任投資先としてのミャンマーの見方」について公に警告した後に起きた。
デジタル経済の企業で構成されるEuroCham Myanmarのデジタルイニシアティブは、インターネットへの公正なアクセスの欠如が深刻な問題を構成していると、政府に対し繰り返し語っている。
「インターネットへの依存の増加は、市民が平等かつ公正にインターネットにアクセスできるようにする責任が政府にもたらされる」と商工会議所は述べた。
米国に拠点を置く60を超える企業及び市民社会組織のネットワークGlobal Network InitiativeにはFacebook及びTelenorが含まれており、ミャンマーの状況を検査している。GNIの業務執行取締役Judith Lichtenberg氏は、一部の企業は、ネットワーク全体ではなく特定のサイトに影響を与え混乱を狭めるよう当局を説得するため、当局に直接携わった。
Human Rights Watchのアジア法務アドバイザーLinda Lakhdhir氏は、通信法は少なくとも、通信会社が人権義務と矛盾する命令に異議を申し立てることができる手続きを提供するべきであると述べた。
第77条の見直し
法律が改正される可能性はどのくらいあるのか。国連のシニア人権職員James Rodehaver氏は、情報へアクセスする権利又は他の人権を制限するあらゆる法的措置は、比例と必要性の原則を遵守しなければならないと述べた。
あらゆる権利の制限は最も例外的な状況でのみ行われなければならず、可能な限り短い期間で最低限の制限を課さなければならない。制限はまた、完全かつ定期的な司法審査の対象となるべきである。
「この状況での1年以上のモバイルインターネットサービスの完全な切断は、実施されている措置が最低限の制限又は一時的なものになるよう計画されていないことを示唆する」とRodehaver氏はミャンマータイムズに語った。
Lakhdhir氏は、政府が「深刻な人権問題を提起する方法に広義の法律を利用している」ため、第77条及びその現在の適用は「根本的な見直しが必要」であると述べた。
例えば、第77条は、「緊急事態が発生したとき」又は「公共の緊急事態が発生したとき」に、政府がインターネットの遮断、ウェブサイトのブロック、通信の遮断を命令することを許可している。しかし、法律は「緊急事態」を定義しておらず、法律の幅広い適用を許可する明確性が欠如している。
「政府はインターネットの切断を正当化するためにAAとの紛争を利用したが、インターネットサービスの全面的な停止はセキュリティの脅威に比例して対応することが滅多にないブルネットツールである」と彼女はミャンマータイムズに語った。
「インターネットにアクセスできず安全な場所を確認できない場合、武力紛争が起きている場所でどのように民間人は身を守ればいいのか。情報を得ることができない場合、どのように人々はCOVID-19から身を守ればいいのか」と彼女はいう。「8つの地区でのインターネット全体の切断は生活を脅かし、何百万人もの権利を制限する」。
国際法学者委員会のリーガルアドバイザーJenny Comino氏は、第77条に基づく行動は民間裁判所による独立した司法監視の対象ではなく、当局により悪用される可能性があると警告した。
彼女はまた、第77条に基づく大半の決定は公に利用可能ではないと付け加えた。透明性の欠如は、政府職員に説明を求めることを困難にする。
外務省はインターネット停止を擁護し、4月にこの動きは「アラカン軍による政治的かつ軍事的議題のインターネットの悪用を防ぐ」のために起きたと述べた。現地コミュニティは拡声器、SMSテキストを介して通信が可能で、禁止は政府のCOVID-19健康キャンペーン及び人道的活動の妨げにはならないという。
しかし、権利活動家は否定する。Human Rights Watchは、人道的活動家が救済団体によるアクセスの制限及びインターネットの禁止により、一部の村に住む人々がコロナウイルスの発生を認識していないと述べたことを引用した。
独立シンクタンクであるInternational Crisis Group (ICG)は今月の報告で、報道管制は「公衆衛生情報の効果的な普及及び病気の監視の両方を妨げる」と述べた。
重要なこととして、報道管制はまた11月の選挙に先立った有権者教育及びオンラインキャンペーンを不可能とした。
(Myanmar Times 2020年6月21日付オンライン記事より)