投資家に求められる法的に必要とされない寄付:DICA

  • 2020年 2月 04日

民間企業がミャンマーで事業を行う際、寄付をする義務を負わないと政府高官が明らかにした。
外国企業及び国内企業に対し、利益の一部を寄付に費やすことを投資法やミャンマー投資委員会が投資家に要求するものではないと、投資企業管理局(DICA)のThant Sin Lwin局長は述べた。
ヤンゴンの企業寄付のガバナンスに関するセミナーにおいて彼は上記のように述べたが、寄付はミャンマーの社会と文化の不可欠な部分であるとの指摘もした。
Myanmar Centre for Responsible BusinessのVicky Bowman氏は、1つの例外事項を指摘した。宝石産業において、2019年宝石法の第56条では、地方議会の指導に従って支出するため、企業の投資の2%を州政府及び地方政府に支払うと定められている。彼女はこれが重大な汚職の危険性をはらんでいると警告した。
小規模採掘許可の申請者に対しサガイン地方政府は近年、「CSRファンド」と呼ばれる地区レベルのコミュニティ開発基金に40万ミャンマーチャットの寄付を要求し始めた。ガバナンスと汚職のリスクは別として、新しい要件の法的根拠は不明確である。
投資家らのビジネスが国民の福祉を強化し、「責任ある包摂的な投資」を提供するための多くの異なる方法について検討することをミャンマー投資委員会は奨励していると、Thant Sin Lwin氏は述べた。公共の福祉のために直接活動している組織とのパートナーシップを含む寄付は、これを達成するための1つの方法にすぎない。
とりわけ重要なのは、会社が投資を実行し、そのコアビジネスを運営する方法についてであると彼は言った。重要な要素には、質の高い仕事の直接及び間接的な創出、職業訓練及び技術の移転、税金の支払いが含まれる。
アウン・サン・スー・チー国家顧問が率いる政府は、国への責任ある投資を誘致すると誓った。国家顧問は、紛争や人権侵害を悪化させるのではなく、「責任を持って実施される」投資が紛争の減少及び開発の一助となることを望んでいる。
Thaung Tun投資相は、委員会は「責任ある、持続可能な、相互に有益な投資、つまり、将来の世代を犠牲にするような短期リターンを優先しない投資を積極的に推進している」と述べた。2019年の本紙で報道したようにMyCo、委員会は、承認前に投資提案を開示しておらず、投資家によって提出された文書の精査を改善していない。
Thant Sin Lwin氏はまた、投資家に対し、ミャンマーの全ての法律及び許可条件を順守し、人権を尊重し、環境及び社会への負の影響を回避し最小限に抑え、汚職行為を行わないことを確実にするよう促した。
会社役員は、企業による寄付を決定する際に法的義務に留意し、ミャンマー社会に利益をもたらし、「害を及ぼさず」、政府の汚職への取り組みを阻害せぬようにしなければならない。
ミャンマー・タイムズは近時、税控除の対象となる企業の寄付に関する曖昧な規制が汚職のリスクにつながっていることを明らかにした。これまでの政府には、税控除可能な寄付を受け取る資格のある機関のリストがない。
国連独立国際事実調査団が2019年8月に軍との合弁事業又は商業的関係に関与する約60の外国企業を特定して以来、一部の企業は政府への寄付をより懸念している。国連の報告書は、企業による寄付を民族浄化に加担する可能性と結びつけることで、事業化及び開発コミュニティの注目を集めている。
たとえば、軍事関連のMyanmar Economic Holdings Limitedとの合弁会社である日本の醸造会社キリンは、2018年に軍への寄付を行ったことで厳しく批判された。
セミナーで講師を務めたActionAid Myanmarの取締役であるAraddhya Mehtta氏は、社会奉仕と開発のための最大の資金源として、寄付よりも税が重要であると強調した。
Mehtta氏は、ミャンマーにおける税収がASEAN内でGDPの割合として現在最も低いということを指摘し、投資税の免除及び寄付に対する税制上の優遇措置の影響について疑問を呈した。
(Myanmar Times 2019年11月14日 第6面より)