ミャンマー投資委員会、透明性の欠如で告発される

  • 2019年 9月 10日

独占記事:ミャンマー投資委員会(MIC)に申請されたインフラ計画公表の際、至る所で透明性が欠如しており、地域コミュニティ、政府及び大企業の間の緊張を悪化させている。
ミャンマータイムズの調査によると、投資法が施行されてから2年以上が経過したが、MICと投資家両方による情報公開の法的要件はまだ満たされていない。
「あるコミュニティに対して申請されたものがいかなるプロジェクトであっても、承認される前にそれを知る権利を人々は持っている。事業を行う際の透明性の欠如は国内地域コミュニティ及び資産に対する違反、汚職及び搾取の可能性を高める」と、調査に応じた権利活動家のThinzar Shunlei Yi氏は述べた。
信頼に値する情報の欠如は企業、政府及び一般大衆からの「信頼感の欠如」を悪化させると彼女は付け加えた。
民主主義主導の政府による結論は、経済成長の促進強化のために大きな投資を得ることである。 特にインフライニシアティブはネピドーやヤンゴン地域の上層部にとって優先事項である。
しかし、地域議会及び国内投資家は、特に大規模なプロジェクトに関して、MICから締め出されているされていると感じている。地方議員であるAung Kyaw Thu氏は、5月にモン州で、MIC承認プロセスがどのように地方議会及び行政を迂回したかについての調査を開始した。議員によると、州政府はMICによって承認された企業に対し責任を負うことを余儀なくされるが、そのような主張とは異なり、実際はそのようにはほぼ機能していないということを本調査は示したとのことだ。

失敗に終わった方針
投資企業管理局(DICA)は、MICの補佐機関として機能し、組織の運営を補助している。MICの長を務めるThaung Tun氏は、インバウンド投資承認獲得を担当する投資・対外経済関係大臣でもある。MIC、DICA及びミャンマータイムズによる同省への複数回の電話では調査に対する公式の応答を引き出すことができなかった。
投資規則45条では全ての投資申請の要約は「許可の発行前に情報の受領日から10営業日以内に」政府のウェブサイトで公開される必要があると規定している。要約は規則36条及び38条に基づき作成される。
調査によると、当局は投資申請を承認する前に、ウェブサイト上に資料を完全には公開していないとのことだ。
承認後に公開された書面においてすら重要な情報の欠落が散見される。フォームには、会社のウェブサイト、問い合わせの連絡先、計画されているスキームの正確な位置が含まれていない。ミャンマータイムズは、公開されている最新の10の計画概要の大部分が基本情報のない、ただスキャンされたPDFであることを認識した。
原本及びスキャンされたPDFフォームはオンラインで検索できないため、メディアやその他の利害関係者が申請時又は申請後に見つけることは困難である。
時には他と比較して正確な情報が欠けているものもある。Modern Era Handbags Coが昨年提出した計画書の1つにおいては中国からの投資であるとされているが、手書きの別の計画書では会社名及び経営者又は所有者の名前について言及されていない。
「プロジェクトの審査の初期段階で議論と協議を通じ重大且つ潜在的な問題を洗い出し、代替案を特定することが非常に重要である。これが早期に行われるほど、その後の抗議や投資家の紛争が発生する可能性は低くなる」と、Myanmar Centre for Responsible Businessの役員であるVicky Bowman氏は述べている。
環境保護部(ECD)が環境影響評価(EIA)を必要とするか否かを決定するため及びMICによるスクリーニングの目的で、同じ計画概要を使用する必要がある。これにより一貫性が確保され、投資家の準備すべき書類が削減される。
「計画書はMICの決定が下される前に公開され、それにより利害関係者はメディアの報道も含め、アクセスできるようになるべきである。また、MICに懸念や質問を受け付けるためのルートも用意する必要がある」と、Bowman氏はいう。
したがって、計画フォームを電子的で検索可能なオープンデータ形式に変更し、環境に影響を受けやすい地域への距離など環境及び社会的データを含めるよう作成しなおす必要があると付け加えた。これにより、環境省がスクリーニングプロセスを実施することもできる。
NGOのPaung Ku氏によると、ミャンマーのコミュニティは情報が不足しているため、投資家がスコーピング調査を行ったり、村人から土地を購入しようとしたりするときに初めてなんらかの計画があると知ることがしばしばある。この方法は、村人に何が課せられるかについての不安及び懸念を与える。
NGOのシニアプログラムコーディネーターであるDoi Ra氏は、MICの方針の失敗は、地域社会への責任の放棄に等しいと述べた。「MICはコミュニティに情報を提供し平等な発言権を保つため、計画及び投資家の両方に関する情報を事前に公開する必要がある。現在DICAのWebサイトに公開されている「最小限の要約」では全く不十分である」と述べている。
「特に国家レベルのMICから承認を得る場合、州政府又は議会からの情報にアクセスすることは更に困難である。それら自体がしばしば公表されないためだ」
当局はこれらの規定を理解していないように見受けられる。ヤンゴンで上場されたKyaw KS Development Trading Coがタニンダリ地域で500万立方メートルの砂を抽出するために地区の承認を求めたというニュースをミャンマータイムズが2018年6月に報じた際、DICAの広報担当者は当該企業がMIC許可を申請したか否かに答えることを拒否した。これは企業の申請書や計画書を公開する必要性に関する投資規則45条に違反している。
シットウェ近くの7,000エーカーの土地に380億米ドルを投じ「新都市」計画を申請しているデベロッパーであるGold Coast KTMG Myanmarが手掛ける中国・ミャンマー経済回廊は、その申請段階で適切に処理されるべきである。MICは、申請を検討する前に計画を広く一般に公表する法的義務がある。Doi Ra氏は以上のように述べ、「コミュニティは、土地の投機の影響及び土地の奪取のリスクに直面している。MICと一部の企業が現在どのように関与しているか又は全く関与していないかを公表しないことは、コミュニティを絶え間ない不安と懸念に陥れ、それは即ち憲法上の権利侵害である。最悪の場合、不可逆的な社会的分裂を引き起こすだろう」と付け加えた。
しかし、当局が執行に失敗したのはこれらの地域だけではない。

法的に義務付けられている企業レポート
規則196条では、企業は会計年度末から3か月以内に年次業績報告書を提出することを義務付けられている。また、企業は規則199条に基づき自社又はMICのいずれかのWebサイトで提出日から3日以内にこれらのレポートを公開する必要がある。
MICは昨年6月にその旨を知らせる通知を発行したが、これを積極的に実施してはいないとミャンマータイムズは確信している。現在までにMICのウェブサイトにレポート又はウェブリンクがアップロードされていないからだ。
MCRBの最新のPwint Thit Saの報告書では、これらのレポートが実際には提出又は公開されていないことも確認されている。「これらのレポートについてはDICAからの更なる指導が必要だが、それにもかかわらず、企業はより広範な利害関係者への伝達の強化を含め、企業レポートを提出し、会社のWebサイトで公開する必要がある」
「企業の情報開示は投資家の投資決定と優れたコーポレートガバナンスに大きな役割を果たす」と、ミャンマー研究所の所長を務めるCherry Trivedi氏は評している。
2011年以降の進展にもかかわらず更に海外からの投資を呼び込むためには、当局及び企業が法律及び規制を順守するというコミットメントにおいてより強い姿勢を取る必要があると述べた。
しかし、他の面では改善がある。新会社法は企業向けに初めて公式電子登録を確立した。DICAのオンライン検索可能なデータベースであるMyCoでは、企業名、企業種別、登記番号、役員氏名、所在地などの情報を無料で検索し得ることができる。登記官に提出されたその他の情報は10,000チャットを支払えば誰でも得ることができる。このことで市民及び記者がこれまで利用できなかった公式の企業情報にある程度アクセスできるようになった。
投資機関の問題は透明性の欠如だけではない。2018年10月、Phyo Min Thein氏は、刑法505条(b)に基づきYangon Metropolitan Development Public Company(YMDPC)に関する「誤った情報」を発表したEleven Mediaの記者3人に対して訴訟を起こした。その後、この問題はMyanmar Press Councilを通じて処理されたが未解決のままである。
「メディアはこうした取引について報道することにより公共の利益に役立っている。政府と企業が正確な報告を望んでいる場合、完全な情報の開示を提供する必要がある。代替手段としては情報の不正確さについて苦情を申し立て、メディアに対して刑事訴訟を起こすことであり、これは現在好ましい選択肢ではあるが、政府と国民の間における報道の自由と信頼を損なうという悪循環をもたらしている」とヤンゴンに拠点を置く記者は匿名でコメントした。
ただし、YMDPCは未だWebサイトや公式のソーシャルメディアを持っていない。
「メディアとの遣り取りのための明確なルートやWebサイトさえも持たない大手企業には不信感しかない。同様に、自ら制定した規則を順守せず、企業との取引を隠ぺいしている政府に対する不信感も大きい」と記者は付け加えた。
(Myanmar Times 2019年7月4日版 第6面より)