アジア財団によると、最近ミャンマーの企業の3分の1がCOVID-19によるロックダウンが原因で一時的に閉鎖しており、依然として営業している企業の大半が売上高の減少を報告している。
パンデミックの影響に関するこれまでで最大の調査である750の現地企業の全国世論調査が、5月10日までの2週間行われた。同期間中、29%が完全な閉鎖、92%がCOVID-19による売上の減少、74%が売上の半分以上を失ったと報告された。業務の減少又は閉鎖の主な理由は、労働者の安全及び顧客不足であった。
アジア財団は6月8日に、パンデミックが企業の収益性、労働力、財政へのアクセスにどのように影響を与えたのか、また政府のCOVID-19経済対策が企業に与える影響に関する電話調査の結果を公開した。
2019年11月から2020年2月にかけて実施された同様の調査の55%と比較して、企業の22%が収益を上げていると報告された。報告された企業の半数が中程度又は高リスクでの事業の存続を報告し、縫製及び繊維、ホスピタリティが特に高リスクであった。
保健省のデータによると6月7日時点で、ミャンマーは240件のCOVID-19症例が記録され、ウイルスが直接的な原因で6人の死者が出ている。記録された症例数は比較的少ないにもかかわらず、パンデミックは経済活動を大きく混乱させ、様々なセクターに長期的な影響を与えると予想される。
4月にIMFは、ミャンマーは危機及びロックダウン措置の結果として、2011年にテインセイン政権に移行して以来の最も遅い成長率に直面していると述べた。EuroCham Myanmarが3月に行った調査で、欧州の投資家の60%以上が重大又は中程度の影響を受けており、収益の損失は30%から50%以上であると予想されることが判明した。
アジア財団の調査で、企業はCOVID-19により平均16%従業員を解雇したことが判明した。
多くの小規模企業はまだ政府の資金にアクセスできていないため、多くが近いうちに現金を使い果たす可能性がある。企業の9月までの追記キャッシュフロー要件の全国レベルの予測では、GDPの0.7%から1.7%に相当する約9,000億チャットから2兆1,000億チャットに達する。
調査マネージャーのVille Peltovuori氏は、企業の約64%が存続を脅かすキャッシュフロー問題に直面すると予測していると強調した。同指数を政府の緊急ローン計画にアクセスした企業の割合と比較すると、より多くの企業が財政支援を必要としていることを示していると彼は述べた。
COVID-19前の調査では25%だったのに対し企業の最新のローンシェアは51%に増加しており、何故多くの企業がマイクロファイナンス機関からローンを受けているのかを示している。
しかし、貸付能力はパンデミック中の旅行制限、返済の延期及び金利の引き下げにより制限されると本紙は先月報じた。
マイクロファイナンス機関により設定される高い金利は、政府と民間銀行によるローン商品及びテーラーメイドのCOVID-19商品の柔軟性の重要性を強調している。
企業の71%が返済について懸念しているが、これらの82%がスケジュール変更について協議し、貸手と合意に至ることができた。
「最終的に現金を使い果たすかどうかは、どの程度素早く経済活動が通常に戻ることができるかに大きく依存する」とPeltovuori氏は述べた。現金不足を懸念する企業の大半が6月末までに現金がなくなると述べていたため、既に手遅れになっている可能性がある。
彼はまた、収入の落ち込みは商品及びサービスに関する消費者の需要に打撃を与えるため、経済活動が通常に戻ったとしても、収益性の回復には時間がかかると述べた。
4月後半にアウンサンスーチー政権により発表されたCOVID-19経済救済計画は、企業を支援するための一連の財政、金融及び税金措置の概要を示した。しかし大半はこれら政策を認識していない。最も良く知られている政策は緊急ローンだが、67%は未だ認識しておらず、最も知られていない政策は輸出に関する所得税で、92%が知らなかった。
アジア財団は、当局が適格者による採用を促進するために企業を支援する政府政策に関しての公表を強化することを推奨した。
また、政府及び商業銀行は、パンデミックを乗り越えるための運営資金の企業ニーズに対応するローンを提供する方法を模索する必要があることも示唆している。
困難と明らかな情報不足にもかかわらず、企業の中での政府への賛成は高い。92%が連邦政府の対応に満足していると述べており、州及び管区政府、地区レベル一般管理局も同様である。
(Myanmar Times 2020年6月8日付オンライン記事より)