ミャンマーの公開会社は会社情報開示において非公開会社に後れを取っている

  • 2019年 6月 19日

4月23日に発表された最新の透明性レポートによると、ミャンマーの公開会社(株式が証券取引所で売買される会社)は、会社の情報開示と管理の点で非公開会社よりも遅れている。

これは、ミャンマーのコンサルティング会社であるYeverと共同で、ヤンゴンに本拠を置くMyanmar Centre for Responsible Business(MCRB)が行った第5回Pwint Thit Saレポート(ミャンマー会社透明性レポート)だ。
2019年、最も透明度の高いミャンマー会社は、City Mart Holdings(CMHL)、First Myanmar Investment(FMI)、Max Myanmar及びShwe Taungだった。これらの会社は一貫して前回のPwint Thit Saレポートのトップ10に入っていたが、今年の報告書では全ての会社が引き続き情報開示の改善を行っている。
反対に、調査された248社のうち108社(44%)が会社ウェブサイトを持っていない。これらの会社のほとんどは、コーポレートガバナンス及び業績データをほとんど又は全く公表していない。
2014年に初めて開始された透明性レポートだが、今年の報告書では上場会社5社、公開会社55社及び160社という多くの非公開会社を含むミャンマーの大会社248社の会社のWebサイトでの情報開示を評価している。今回初めて、最も重要な国営会社(SOE)28社も含んでいる。今回の報告書は、これまでにミャンマーで発表された会社情報開示(CD)において最も意欲的な公的報告書だ。
調査結果は、多数の非公開会社が法的透明性規定を超えることを選択したことを明らかにしている。新会社法の下では、非公開会社は投資会社管理局(DICA)に年次申告書を提出するだけでよい。しかし、非公開会社がこの情報を公開することは求められていない。
しかしながら、トップ10のうちCity Mart、Max Myanmar、Shwe Taung,、UAB、Dagon Group、Myan Shwe Pyi Tractors、AYA Bankの7社の非公開会社が情報を開示している。
これは、透明性とガバナンスに対するビジネスケースが規制上の要件ではなく、これらの会社の動機づけとなっていることを示しているとMCRBの代表であるVicky Bowman氏は話した。
「非公開会社は多くの情報を開示するための法的要件を持っていないが、実際には(公開会社よりも)平均して優れている」。
「彼らは投資家やビジネスパートナーを引き付け、社会的営業許可を築くための手段と考えている。しかし、彼らはまた、彼らの収益を保全するための手段として、例えばエネルギー効率などの業績に力を入れていると考える。」
対照的に、ミャンマーは上場会社及び公開会社、特に100名以上の株主を抱える会社に対して広範な規制上の開示要件を設けている。これらは、2017年ミャンマー会社法及びミャンマー証券取引委員会(SECM)が発行した継続開示に関連する通達に基づいて定められている。ミャンマー中央銀行はまた、2019年に金融機関に対してより多くのガバナンス及び開示要件を発行した。
「私たちの評価は、これらの開示要件にとびつく多くの会社が完全には実施していないことを示している。多くの人がそれに気づいていないのではないかと感じている。」とYeverのNicolas Delange社長は付け加えた。
同氏は、コンプライアンス機能に投資する会社、特に金融機関、及び専門の監査人や弁護士、その他の支援を受ける取締役会が必要であると強調した。
この評価はまた、上場会社が残りの会社を上回り続けることを明らかにした。ヤンゴン証券取引所の5つの会社は、全体の平均5%に対して、平均32%を獲得した。
対照的に、国営会社は最も低い平均得点を獲得した。開示に関する主要な国営会社は、建設住宅開発銀行(CHDB)とヤンゴン電力供給公社(YESC)で、この2社のみが全体の平均5%をわずかに上回っている。
第5回Pwint Thit Saレポートは、ASEANコーポレートガバナンス評価(ACGS)に基づいて、2018年に採用された方法論的アプローチを継続し、会社概要、コーポレートガバナンス、持続可能性管理及び報告に関する情報のオンライン開示を評価している。しかしながら、今年の調査では、持続可能性に関連する「業績」の基準の重要性が増加した。この変更はまた、シンガポール及びタイの証券取引所を含む、非財務報告に関する世界及び地域の動向も反映している。
この変更は、「2018年の報告書でトップになった会社を拡大する」ことであるとBowman氏は話した。追加された基準は、ACGSの下で予想される基本的なコーポレートガバナンスの開示を超えている。
「これらの基準は、自社の方針をどのように実施しているかに関するデータを公開している会社を認め、報いるものだ。これは、会社が「有言実行」しているのかを測定する方法だ。会社は、業績データを取得して測定するためのシステムを整備する必要があるため、より困難になる。」
測定基準の変化は、特に上位20社の間で全体的な情報開示が増加しているにもかかわらず、平均スコアが2018年の7%から2019年には5%に低下した理由を説明している。
この報告書はミャンマー投資委員会(MIC)の計画に先立ち、投資概要の公表に関する2017年投資法の要件を実行するよう政府へ呼びかけ、許可されたプロジェクトの年次持続可能性報告書を公開するための法的義務であるMICの許可が必要であることを株主に思い出させる。また、コーポレートガバナンス、汚職、環境影響評価(EIA)及び受益所有権に関する現在の規制上の要件を強調し、会社、政府、その他の利害関係者に対する推奨事項の概要を示した。

ミャンマーの公開会社とは何か?

ミャンマー会社法(MCL)は、「公開会社」(または公的有限責任会社)を、非公開会社ではなく、MCL又は旧会社法の下で法人化された会社として定義する。「公開会社」は株式を公開することができる。少なくとも7名の株主/メンバーと少なくとも3名の取締役がいなければならず、そのうちの少なくとも1名はミャンマーに常駐するミャンマー市民でなければならない。また、事業開始前に事業開始証明書を申請する必要がある。
外資系ではないミャンマーの一般公開会社でヤンゴン証券取引所に上場しているのは5社のみだ。
これらの会社の多くはほとんど運用されておらず、ガバナンスと開示に関するコンプライアンスが不十分だった。Pwint Thit Sa 2018では、公開会社(上場会社を除く)の平均スコアは4%で、全体の平均は7%だった。2019年の評価では、これに相当する数値は公開会社で4%、全体で5%だ。
2019年のPwint Thit Saレポートの上位20社のうち、4社は非上場会社である。その4社は、Grand Guardian Insurance、MAPCO、Myanmar Agro Exchange、Great Hor Khamである。
(Myanmar times 2019年4月30日版 第4面より)